エコロジー意識の高まりとともに、天然、自然、ナチュラル、グリーンなどなどの言葉が付いた商品が溢れています。「オーガニック」という言葉も、一般には同じように使われていますが、実は「オーガニック」には特別な意味が込められています。第三者認証機関が認定したものに限ってオーガニックと呼ぶことができます。自称のオーガニックという言葉は成り立ちません。
NOC(日本オーガニックコットン流通機構)のコットン製品は原料のエコロジーだけでなく、生産の工程でのエコロジー、そして生産に携わる人々、商品を使う人の健康、安全面にも配慮します。更に綿の産地が貧困地域であることが多く、不当に労働が搾取されることがないように、公正取引のガイドラインが盛り込まれた認証を基本にしています。これらのことは、すべて従来のコットン生産と比べるとコスト高になることばかりで、当然小売価格に反映して高額になります。そこでその価格が正統なものかどうかを証明することが必要になってきます。店頭で、本物のオーガニックコットンかどうか見た目の判別は不可能ですので、製品に証明書を付けることは不可欠です。原料の正当性、エコロジー規準の背景を示したNOCラベルを付けることの重要性が増しています。
世界の主要認証機関の仕組みIFOAM
1972年に、フランスで国際有機農業運動連盟IFOAMが設立されました。
オーガニック農業を生態的社会的に健全で、持続性のある生産方式として普及促進することを目的としています。農業関係者、科学者、消費者が一体となって基準を作り上げ、この基準が国連、ヨーロッパ、アメリカの有機農規格の基準つくりの下地になりました。また欧米で民間のオーガニック認証機関が続々と設立されIFOAMの傘下に入り、このガイドラインを使って認証業務を行っています。
IFOAMは自身で直接認証実務をすることはなく、基準の検証、研究、作成、認証機関の認定と監視、そして全体の調整機関として活動しています。NOCグループもメンバーとして正統なオーガニックコットンの流通発展に貢献しています。
認証の内容
オーガニック農業に転換を決めた農業者や加工業者が、認証機関に申し込むと、検査員が農場や工場に派遣され調査した後、オーガニック認証を取得するまでのオーガニックプランと呼ばれる計画つくりを指導します。このプランは、最短でも3年間以上従来のような化学農薬を使わず認定基準に沿って堆肥計画、輪作計画、病害虫対策計画などをどのように遂行するかを具体的に記述し提出されます。認証機関はこれを検討し要件を満たしていることを確認してスタートします。毎年最低1回抜き打ちの検査を受けます。計画どおり作業されていることの重要性と同時に記録が正確に行われているかどうかが審査されます。オーガニックとは作物の生産、加工方法について当然厳しく規定していますが、いつでも誰にでも分かるように記録を整備しておく、いわゆるトレーサビリティ(遡行追跡)の精神を強く指導します。
主な記録の内容:農場の位置の特定、農地への投入物(肥料、土壌改良物質)、作業工程のフローチャート、栽培記録、保管場所、保管方法、包装方法、生産高、売上高等。
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